【ジャズボーカル】今日のスタンダード曲 / Moanin’

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みなさんこんにちわ!

ボーカルの日比しおりです。


ジャズの持ち歌、

増やしていきたいけど、

一体何から手をつけたらいいの?

そんなあなたへ!

 

プロボーカルなら歌えておきたい


こちらのタイトル

【ジャズボーカルのスタンダード曲集】

では、プロのジャズボーカルなら

全員歌えるといっても過言ではない

超スタンダード曲をご紹介していきます。

 

  1. 使いやすい
  2. ウケがいい
  3. 歌えたらおしゃれ!


3拍子揃った

プロボーカルのレパートリーを

お教えします!


1959年 Moanin’

今日のスタンダード曲は、

『Moanin'』

(もーにん)

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邦題にするなら

『毎日』です。

このメロディリフ、

あなたもどこかで聴いた事がありませんか?


2012年、

小玉ユキさん原作、

菅野よう子さんが楽曲を手がけた

学園ジャズアニメ

『坂道のアポロン』でも取り上げられて

『But Not For Me』同様に

老若男女問わず知名度の高い曲となりました。


まずは曲を聴いてみましょう!


今日は大好きな

ジャズボーカル

Jazzmeia Horn

(じゃずめいあ ほーん)

バージョンでお届けします!


Jazzmeia Horn Performing “Moanin” | 60th GRAMMYs

英歌詞を見てみよう

Every Mornin' finds me moanin'

Cuz of all I the trouble I see

Life's a loosing gamble to me

Ev'ry body knows I moanin'


Every evening I am moanin'

I'm alone and crying the blues

I'm so tired of paying the dues

Ev'ry body knows I'm moanin'


Lord I spend many a days 

and nights alone with my grief

Lord I pray, really and truly pray

Somebody will come and bring me relief


Every mornin' finds me moanin'

Cuz of all I the trouble I see

Life's a loosing gamble to me

Cares and woes have got me moanin'


Lord I try, really n truly try to find the relief

Lord I spend plenty o days and nights alone

with my grief

Lord I pray, really n truly pray 

to fine the relief 

Yes, Lord

和訳するとこんなかんじ

わたし、毎朝ため息ついてる

いつもトラブルに巻き込まれて

人生なんて負け通しのギャンブル

心配事と後悔が私のため息になる


わたし、夜になるとため息ついてる

孤独で辛くて泣き叫んで

これがわたしの運命ならもう疲れたわ

みんなわたしのため息も

聞き飽きたでしょ?


神さま、こんな長い昼と夜を

孤独と悲しみばかりに明け暮れて過ごしてる

神さま、本当に心から祈ります。

誰かここからわたしを助け出して…。


わたし、毎朝ため息ついてる

またもトラブルに巻き込まれて

人生なんて負けてばかりのギャンブル

心配事と後悔が私のため息になる


神さま、

心から救いを求めてたわ。

神さま、

こんなに孤独と悲しみに明け暮れてきた。

神さま、

わたしは救いを求めてるの。心からよ。


ねえ、神さま…。


知りたい!曲の背景

誰が作ったの?

作詞者は

Jon Hendricks (1921-2017)

(じょん・へんどりくす)

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作曲者は

Bobby Timmons (1935-1974)

(ぼびー・てぃもんす)

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Jon先生は

自身もシンガーであり作詞家。

ジャズスタンダードに歌詞をつけ

『ヴォーカリース』を広めることに尽力。

2017年に96歳でこの世を去りました。


Bobby先生はジャズピアニストとして活躍。

数多くの作曲も手がけました。

名曲のあゆみ

1959年

ジャズドラマー

Art Blakey

(あーと・ぶれいきー)率いる

ジャズ・メッセンジャーズのピアニストだった

Bobby先生が作曲しました。

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なんとJon先生はBobby先生と

シェアハウスしてたルームメイト!

全員ミュージシャンで5人シェアハウス。


Bobby先生

『ねえねえ、ジョン君、歌詞つけてくれない?

録音してみたの聴いてよー』


Jon先生

『うん、いいけど、なんで録音?

ボビー君ピアニストなんでしょ?

今弾いてくれたらいいやん!』


そんな感じで15分くらいで完成。

曲はそこから60年も

愛され続けているなんて。


プロボーカルから見る曲のポイント

ボーカルイン

セクション[A]はボーカルとメンバーの

掛け合いになります。

誰かとユニゾン(同じメロディだけ重ねる)

をすることもありますが、

基本的に一人で歌い始めたところで

曲が始まります。

とにかくハッキリした第一声を

自信を持って怯まず

歌えるかが何よりも大事!

掛け合いのフレーズから次へ運ぶ

絶対にメンバーを信じましょう。

掛け合いは必ずインテンポできます。

あなたは自信と信頼を持って

練習した通り歌い、

その場にいる全員を

セクション[B]へ導く気合いでいきましょう。

 

ゴスペルから受け継がれた血

もっと具体的に歌について

(ピッチとか理論とか)話せよって

言われそうですが、

わたしがこの曲で何より大切と訴えたいのは

人の覇気から伝わる『説得力』です。

どれだけピッチ良くてリズム良くて

発音良くても

個性や主張なくスカして歌っていては

全く意味が無い。なぜなら、

この曲はBobby先生のボーン

ゴスペルのノウハウ、さらに

Jon先生のゴスペルの祈りと同じ

苦境の中で生きる

刹那な祈りが込められているからです。

ゴスペルのノウハウとは、

ひとつに必ず曲の中には

『指導者』が先頭に立っています。

指導者の主張に周りが相槌をし、共感し、

そして共に立ち向かい歩みだす様が

曲の流れで表現されています。

この『Moarnin’』のテーマを取る

パートには、

この『指導者』の役が課せられている

思ってほしいのです。

韻を踏んだ歌詞

さすがヴォーカリースの伝道師、

Jon先生。

メロディをまったく邪魔しない

ぴったりくる簡単な単語で

苦況を訴えたばかりか

韻も踏んでいて、

意味を知らずにふと聴いたら

明るい内容かもって思うほど

キャッチー。

切るところ、伸ばすところ。

しっかりマーカーチェックして

最大限に引き出し活かしましょう!

『歌詞あるある』これってなに?

「o」や「n」と省略された歌詞の方が

多く出回っている印象ですが、

「o」は「of」

「n」は「and」の略系です。

また、

『payin’ the dues』

直訳すれば『払込金』を指しますが、

実際には

『奴隷や奴隷的隷属状態で

家や土地や衣食料などのツケを

一生かかって返す』という

表現で使われています。

否応無く連れて来て売り飛ばされて

差別までされているのに、

さらに借金をこぎつけられるなんて、

この歌詞の内容が沁み入りますね…。


日比しおりのまとめ

1.使いやすい

楽器奏者の方の課題曲にも

よく取り上げられるこの曲は

共通財産のスタンダードナンバー!

インストもヴォーカリースでも

愛され曲です。

2.ウケがいい

老若男女、

ジャズといえば知ってるこの曲。

知名度が高くメロディもキャッチー

なので、盛り上がります!

3.歌えたらおしゃれ!

バンドを、ステージを、

その空間を率いる指導者のように

ヴォーカリストに存在感を与える

一曲です。

ぜひモノにしましょう!


いかがでしたか?

ではでは、次回もお楽しみに!

ありがとうございました!